【社会人から作業療法士になる】学校説明会で言われる「作業療法士は今後需要が高くなる」は本当に信じられるのか考えてみた
理学療法士・作業療法士の養成校の学校説明会に参加すると必ずと言っていいほど、「理学療法士・作業療法士の需要はますます高くなるから安心です」と説明されます。はたして本当にそれが理学療法士・作業療法士になるメリットなのでしょうか。
この記事では、学校説明会で言われる「理学療法士・作業療法士の需要が今後高くなる」は本当に信じられるのか考えてみました。
- 学校説明会で必ず言われる作業療法士の将来性について
- 高齢化が進むので需要は確かに上がる
- 養成校の説明会では学校側に有利なことしか言われない
- 結論:「作業療法士の需要は高くなる」は転職を決める決め手にはならない
学校説明会で必ず言われる作業療法士の将来性について
理学療法士・作業療法士の養成校の説明会に行くと必ず、作業療法士は「将来需要がますます高まります!」と声高に言われるでしょう。
確かに高齢者が増えるので需要が増えるのは間違いないでしょうが、それが作業療法士になる本当のメリットなのでしょうか。需要が高まると必ずしも給料や雇用条件にいい影響が出るのでしょうか。実際に作業療法士として働き始めてその頃言われてきたことに疑問を抱いています。
「将来需要が高まります」は養成校にとって都合のよい誘い文句になっているような気がします。
高齢化が進むので需要は確かに上がる
確かに現代の日本では高齢化が深刻なペースで進んでいます。医療・介護のニーズがますます高まることは間違いないでしょう。
しかし、相反して日本の支え手になる労働者人口も大きく減少していくので、税収も大きく減っていきます。当然、介護報酬・診療報酬も下げられていきます。この介護報酬・診療報酬は作業療法士の給料になるものです。
確かに需要は高まりますが、財源は減っていきます。このような状況で収入や雇用条件は良くなっていくのでしょうか。
養成校の説明会では学校側に有利なことしか言われない
養成校で声高に「作業療法士は今後需要が高くなる」と説明されるのは、入学を決意してもらうためです。
養成校にとっては学生が入学するかどうかが重要なのです。そのため、学校側は不利になるようなことは言わないのです。そのことをしっかりと理解しておくことが大切です。学校側の言いなりに簡単に決めてしまっては後悔することになる可能性があります。
養成校の説明だけで作業療法士になることを決めるのではなく、自分自身で情報をしっかり集めることも重要です。いまの時代ならSNSやインターネットでも実際に働いている人からの情報を集めることができます。理学療法士・作業療法士協会に問い合わせをすれば病院見学などの手配をすることもできるでしょう。
社会人から作業療法士を目指すのには大きなリスクがあります。年収面で大きなマイナスになることは間違いありません。年齢を重ねてから新人として就職するのは並大抵のことではありません。実習では年下の実習指導者に頭を下げなければなりません。そのようなストレスやリスクをしっかりと頭に入れたうえで転職を決意することが大切です。
結論:「作業療法士の需要は高くなる」は転職を決める決め手にはならない
この養成校で安易に言われる言葉は作業療法士への転職を決める決め手としては不十分だと思います。
私自身、作業療法士になってたくさんの患者さんや家族に感謝される経験をしています。担当の患者さんが元気になって退院してくれる瞬間は何物にも代えがたい達成感があります。作業療法士はやりがいのある素晴らしい仕事であると自信を持って言えます。
ですが、収入面や将来の見通しの悪さなど不安感も抱えながら仕事をしています。自分や家族の生活を守っていくことも大切なことです。特に社会人の方でいまの年収よりも明らかに収入が下がる人はよく検討したほうがいいと思います。
社会人から理学療法士・作業療法士を目指すのであれば、メリットとデメリットをしっかりとわかった上で進路を選択することが重要です。間違っても養成校の言うことを真に受けてはいけません。養成校はあなたの将来に対して責任を持ってくれるわけではないのです。
作業療法士になろう! [ 齋藤 さわ子 ]
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