社会人から作業療法士になってみて!給料や収入の面に関して私が思ったこと
作業療法士になって早数年が経ちます。私は元々社会人(上場企業)から養成校に通って作業療法士の資格を取得して現在に至りました。いまひとつパッとしない会社員時代に「人生を少しでも変えたいな!」と思い立ち一念発起して養成校に入学したことを覚えています。
当時は若かったこともあり私自身は金銭面のことをあまり深く考えていませんでした。しかし、多くの社会人から作業療法士を目指したいと考えている人にとって収入の面は気になるところではないでしょうか。
この記事では、社会人から作業療法士になってみて給料や収入の面に関してどのように変わったか体感的なところをお話していきます。
- 年収は社会人時代とほとんど変わらない!職場によっても大きな違いが・・・
- 福利厚生などトータルで見ると社会人時代よりマイナスでは!?
- 役職を得て収入アップするためには10年近く下積みが必要
- 業務内容によっては副業も現実的ではないかも・・・
- 結論:作業療法士国家資格を取得してもすぐには大きな給料アップは望めない
年収は社会人時代とほとんど変わらない!職場によっても大きな違いが・・・
作業療法士の初任給は一般企業の新卒初任給より高めに設定されています。
国家資格保有者であり技術職なので手当てがつきます。体感的には社会人時代にもらっていた給与とほとんど変わらない印象です。
また、作業療法士は職場によって給与体系が大きく違います。精神科や訪問などの事業所では身体障害領域より高給になるケースが多いようです。新卒であっても給与面に関してシビアに探していけば高待遇の職場を見つけることもできるでしょう。
私の場合は身体障害領域に進んだので給与面に関してはそれほど優遇されていません。新卒初任給としては一般的な水準より高めと考えて間違いないです。
福利厚生などトータルで見ると社会人時代よりマイナスでは!?
新卒での給与水準に関しては作業療法士に軍配が上がります。
反面、福利厚生の面では一般企業に劣っていると考えた方が良さそうです。賞与の支給基準も厳しく支給金額も据え置きになる職場が多くあります。社会保険関連はたいていの職場で完備されているので心配はないと思いますが、手当てに関しては職場によってまちまちといったところでしょう。
私の場合も額面上は社会人時代とほとんど変わりませんが、福利厚生の面で大きく劣っている状態です。住宅手当などが会社員時代より大きく減額しています。入社当初は賞与の支給月数も少ないので年収にすると会社員時代よりもマイナスになっていました。
額面の給与だけを見て、『作業療法士になったら収入アップや~』と考えていると大きな失敗をしてしまうと思います。給与だけを見ると高給な職場もありますが、「賞与なし」だったり各種手当がつかない職場がたくさんあるのです。給与・福利厚生をトータルで見るとさほど変わらないことが多いです。
役職を得て収入アップするためには10年近く下積みが必要
よほど小規模な職場を除いて、職場で役職を持つためには10年近くの下積みは覚悟した方がいいでしょう。
昇給は一応ありますが、さほど期待しない方がいいかもしれません。大きく収入アップするためには役職がつくことが必須条件だと思います。
一般企業であれば役職がつくのに10年20年当たり前だと考えると、職場の管理者になるまでのスパンは短いように感じます。
業務内容によっては副業も現実的ではないかも・・・
『給料が上がらないなら副業をしよう!』
そう考えている人も多いでしょうが現実はなかなか厳しいものです。
小規模な事業所などでは副業OKの職場が多いようですが、人数の多い職場などでは副業が許されていないケースがあります。
さらに、日々の正社員としての業務の他に休日にも仕事をするというのは身体的にも精神的にもきついものがあります。特に経験年数が浅いうちは日々の業務で覚えなければならないことが山ほどあるので副業に手を出すほどの余裕が出ないと思います。
私自身も『作業療法士の資格をとったらすぐにでもダブルワークをしよう』と考えていました。しかし、実際には日々の業務が忙しすぎて副業するほどの体力的余裕がありませんでした。
副業で収入アップを目指すことも可能だとは思います。しかし、新人のうちは勤め先の業務で精いっぱいになってしまうことがほとんどです。
結論:作業療法士国家資格を取得してもすぐには大きな給料アップは望めない
特に社会人からの転職組の人にとっては、社会人時代よりも収入がダウンすることは覚悟した方が良さそうです。
他のブログ記事などでも言われていることですが、作業療法士の年収はさほど高くありません。新卒の段階では作業療法士の方が高給ですが、途中で一般企業に抜かれるようです。
『やりがい』はとてもある素晴らしい仕事だと思いますが、将来の収入まで計算しうえで転職するかどうかを決めた方がいいのではないかと思います。
私自身は作業療法士に転職したことに後悔はまったくありません。今は収入をアップさせるよりも、よりよい対人援助技術を身につけたいと思っています。将来的にその技術が誰かの役に立って収入に結び付けばそれでいいんじゃないかと。
いずれにしても社会人から作業療法士になるには養成校を経て国家試験を取得しなければなりません。想像以上の苦しい時間を3~4年間過ごして臨床に出てからも苦しい時期を過ごさないといけません。中途半端な覚悟だと挫折してしまうことにもつながりかねないことは、転職を決める前に分かっておいた方がいいと思います。
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