【リハビリ知識】GFO食の目的とリハビリの注意点
臨床でよく見かけるGFO食の目的はご存じでしょうか。
リハビリとして直接関わることは少ないですが、その意味を理解しておくことは重要です。
この記事では、GFO食の目的とリハビリの注意点について紹介していきます。
GFOとは
GFOとは腸の状態を正常に保つための栄養素を含んだ成分補給剤のことです。
『G』はグルタミンのことを指します。グルタミンは腸管の細胞やリンパ球の形成に重要な栄養素の一つです。グルタミンの摂取は腸管の構造を維持するために重要な役割を果たします。
『F』はファイバー(食物繊維)のことを指します。食物繊維には整腸作用があり、排便量を増加させます。
『O』はオリゴ糖のことを指します。オリゴ糖には整腸作用があります。腸内細菌叢を保護する作用があります。
GFOは上記の栄養素によって腸管の構造を維持し整腸作用を促進する働きがあります。
GFOの適応
GFOは長期絶食患者や食事を摂取しない患者の腸管を維持するために用いられます。
長期絶食により腸管が萎縮すると消化・吸収機能が低下してしまいます。
腸管の萎縮が起こると食事を再開したときに、下痢や嘔吐などの消化管症状が出現しやすくなります。
下痢や嘔吐が出現してしまうと、食欲の低下や食事摂取量の低下、栄養素の吸収の低下が生じてしまうリスクがあります。
参考文献:経管栄養とGFO
GFO食を摂取している患者さんへのリハビリの注意点
GFO食を摂取している患者さんにリハビリを行う際にはチェックしておくべきポイントがあります。
消化管症状の出現に注意
GFO食を摂取している患者さんにリハビリを行う際には消化管症状の出現に注意が必要です。
GFO食を摂取している患者さんは長期絶食などにより消化管を使用していない場合が多くなります。
常食への移行の目的でGFO食を摂取している場合が多いため、食後の悪心・嘔吐や下痢・便秘などの消化管症状が出現する可能性があります。
食直後の負荷量の高い運動などは控えるように注意する必要があります。
栄養状態に注意
GFO食を摂取している患者さんは長期絶食や食事の摂取ができない方です。そのため、運動をするために必要な栄養素が不足している可能性があります。
負荷量を強めすぎると、かえって身体機能の回復に使うエネルギーが枯渇してしまうことになってしまいます。
TP(総タンパク量)、Alb(血中アルブミン量)の検査数値をチェックしておくことが重要です。
結論:GFO食を摂取している場合には負荷量に注意
GFO食を摂取している場合には負荷量に注意することが大切です。
消化管症状の出現リスクや低栄養による過剰負荷のリスクがあります。
患者さんの検査数値を参考に全身状態を考えながら運動負荷量を調整していくことが大切です。
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